取材・インタビュー

取材・インタビューの時間配分や録音について

取材・インタビューの時間配分

たいていの場合、取材・インタビュー時間は決まっているものです。

書籍の執筆以外は、30分〜1時間というのが一般的。

取材相手のスケジュールによっては10〜20分くらいということもあります。

まれに、相手の方が「いくらでも時間があるから何でもお話ししますよ」ということもありますが、それはそれで注意が必要です。

たくさん話を聞くことが、よいインタビューになるとは限らないからです。

情報量が多すぎると記事にまとめるときに苦労することも多々あります。

あれもこれも詰め込みすぎると、ぼやけた文章になりがちです。

取材・インタビューの時間は、予め時間が決まっている場合が多いので、なるべく時間内に終わらせるのがいいでしょう。

ときには、聞けば聞くほど面白いエピソードが出てくることもあるのですが、記事として使えるかどうかが肝心です。

取材・インタビューの目的は、企画した内容の記事を書くことです。

衝撃の事実や、誰も知らないだろうと思われる興味深い話でも、企画意図にそっていなければ意味がありません。

面白い話に心を奪われ、肝心のことを聞くのが疎かになってしまうケースはプロでもあること。

よほど意識していないと、その場の雰囲気に流されてしいます。

そういったことを防ぐには、用意した複数の質問に優先順位をつけておくことが有効です。

質問メモに、赤いペンで囲んでおくといいでしょう。

また、常に時間を確認できる状態にしておきましょう。

インタビューの途中で何度も腕時計に目をやるのは、相手の方に失礼ですし、意識を散漫にさせてしまいます。

インタビューに入る前に腕時計をはずしておき、いつでも目に入る位置に置いておくとさりげなく時間をチェックすることができます。

 

録音していてもメモを取るべきか?

「まったくメモを取らないライターがいるんですよ」

ということを編集者や取材に同行しているカメラマンなどから聞くことがあります。

そのライターがメモを取らない理由は、

「ICレコーダーを回していますから」

とうことでした。

icレコーダー

つまり、録音した内容を後で聞き返し、それを記事にまとめるという方法をとっているということです。

人それぞれのやり方がありますが、プロとしてこの方法はあまり推奨できません。

ICレコーダーは、あくまでも保険のようなもの。

極端なことを言えば、ICレコーダーがなくても取材・インタビュー・ライティングまで行えるようでなければ、プロとしてやっていくのは難しいかもしれません。

聞き返すには実際に取材・インタビューに費やした以上の時間がかかることが多いので、聞き返さないで書くときよりも2〜3倍の労力がかかってしまいます。
(もちろん取材・インタビュー内容によっては聞き返すことが必要な場合もあります)

取材・インタビュー時にはメモを取るのは必須です。

キーボード入力が早い人は、ノートパソコンやタブレットPCを使ってメモをとるのも良いでしょう。

「ICレコーダーのスイッチを入れたつもりが、スイッチが入ってなくてまったく録音できていなかった」

ということは、時々起こりえる事故です。

そんなとき、メモを取る習慣が身についてるライターは慌てることがありません。

しかし、ICレコーダーだけに頼っているライターは大変です。

『録音をあとで聞き直せばいい』と思っているため、話をしっかりと記憶しておらず、取材に同席していたカメラマンや編集者たちに、「どんなことを言ってましたっけ?」と聞き回って、それをもとにして記事を書いたという話もありました(実話)。

 

聴く姿勢が大切

ライターにとって最も重要なのは、取材・インタビューの本質である「相手の話を聴く」という姿勢です。

人の話を「聞く」と「聴く」の違いは、わかりますか?

「聴く」という漢字は、「耳」「十」「四」「心」で成り立っています。

人の話を聴くというのは、「十四の心を持って相手の話に耳を傾ける」という意味です。

喫茶店で友だちと世間話をするのとは、わけが違います。

明確な目的がありますし、知りたいことがあるので、取材・インタビューをするのです。

取材・インタビュー中には、メモを取る。

できるだけ録音したものを聞き返さずに文章を書く習慣をつける。

話を聴いた内容とメモだけで執筆する。

これらを実践していくと、緊張感もあり、取材・インタビューのレベルが格段に向上しますし、聴く内容にも差が出てきます。

さらに、1つの記事作成にかかわる時間が減りますので、仕事効率が2〜3倍になります。

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